わかる!ニップン— 成長戦略 —
2023年度 事業計画
今後の国内経済は、コロナ禍の収束に伴い個人消費や設備投資が拡大し、回復に向けた動きが進むものと考えられます。一方、ロシア・ウクライナ情勢や米中対立等の地政学リスクが企業業績に与える影響は不透明であり、また、エネルギー価格や原材料価格は引き続き高水準で推移しています。
今期以降も当社は、生産能力の増強や、さらなるコストダウン、拡売等による既存事業の強化に加えて、M&Aや事業提携を活用したインオーガニック成長を持続的な成長に取れ入れることにより、2026年度末までに中期目標を実現できるよう取り組んでまいります。
また、経営理念を念頭に、気候変動などの環境問題、食資源の有効活用、人口問題、健康寿命の延伸などの社会的な問題に真摯に取り組み、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。
積極的な投資戦略
ニップンは、ニップンブランドを冠した製粉事業をコア事業としています。さらに、ニップン・オーマイ・レガーロブランドの加工食品や冷凍食品をはじめ、食材、中食で構成される食品事業を成長ドライバーとして、幅広い分野へ事業を展開しています。
これまで大型臨海工場の整備・強化、省エネロボット化など積極的な設備投資を実施してまいりました。2020年度には、今後成長が見込まれる分野に対して積極的な投資を行い、当社福岡工場でプレミックス工場が2020年10月に、当社伊勢崎工場(旧ニップン冷食(株)伊勢崎工場)の冷凍食品第2工場と、 NIPPN(Thailand)Co., Ltd. の冷凍生地製造工場がそれぞれ11月に竣工するなど、国内外において食品事業の強化・拡大を進めました。
2022-2026中期目標期間の設備投資額は、900億円以上としています。
設備投資の主な目的はコスト競争力の強化にあります。これは、外国産小麦売渡制度の見直し、貿易自由化、市場変化と競争の激化など先行き不透明な状況下でも持続的成長をしていくために、価格競争力を徹底的に高める必要があるからです。同時に商品力・営業力を強化し販売量・売上高を拡大、工場の稼働率を高めることで生産性向上によるコストダウンを実現します。食文化をリードするベンチャー・スピリットは、ニップンに息づく創業以来のDNA。そして、強固な財務体質がこれを下支えしています。
創業時:明治の最先端ベンチャー企業
- 1897年(明治30年)
- 扇橋工場でロール式製粉機による近代的製粉工場を稼働
現在まで:大型臨海工場の整備・強化に積極投資
- 1924年
- 横浜工場竣工(日本最初の大規模臨海工場)
- 1925年
- 小樽工場竣工
- 1928年
- 名古屋工場竣工
- 1974年
- 神戸甲南工場竣工
- 1978年
- 千葉工場竣工
- 1985年
- 福岡工場竣工
- 1994年
- 千葉工場の小麦製粉製造設備能力増強(Cミル完成)
- 1995年
- 阪神淡路大震災で神戸甲南工場が被災、
能力を増強して年内に復興達成 - 2006年
- 千葉工場にて工場能力強化(Dミル完成)
- 2010〜2012年
- 神戸甲南工場製粉ライン増強をはじめとする
総額200億円の設備投資 - 2014年
- 千葉工場の原料穀物サイロ収容能力増強
食品事業の拡大・強化に積極投資
<中食事業>
- 2017年6月
- 埼玉県日高市に工場新設
- 2017年7月
- 茨城県土浦市に新会社設立
- 2019年2月
- 愛知県知多に新設工場建設
<プレミックス事業>
2020年10月
福岡工場にプレミックス工場新設
<冷凍食品事業>
2020年11月
伊勢崎冷食第2工場新設
NIPPN(Thailand)Co., Ltd. に冷凍生地工場新設
今後の投資予定
インドネシアプレミックス新工場 (海外) ~2023年
伊勢崎工場新ライン(冷凍食品) ~2023年
Pasta Montanaライン増強 (海外) ~2024年
オーケー食品工業新ライン (食品事業) ~2024年
Utah Flour Milling 新工場 (海外) ~2024年
神戸甲南工場増強(製粉) ~2024年
知多新工場建設(製粉) ~2026年
海外拠点の拡大・再構築に積極投資
ニップンはグローバルな総合食品企業を目指し、海外事業を推進しています。
成長著しいアジア地域と北米でのビジネス拡大とインオーガニック成長戦略の推進を含めたスピーディな事業展開
国内外でのM&A・事業提携の活用による事業規模の拡大
事業成長のスピードアップを図るため、既存の経営資源を活用するだけではなく、M&Aや事業提携により外部資源を獲得し、成長を推進してまいります。
現在、海外での新たな取り組みや新規投資について検討を進めています。
大型投資については、機関決定後に都度開示していく予定です。
5,000億円企業を目指して
長期ビジョン
ニップングループが目指す成長のイメージ
名実ともに総合食品企業としての地位を確立するため、売上高5,000億円・営業利益250億円の規模まで成長することを目指します。
長期ビジョン達成のためには、「ライフスタイルの多様化」や「少子高齢化」等の社会・事業課題に対応していく必要があります。リスクを低減し、機会を活かして持続的に成長していきます。
長期ビジョンの戦略概要
既存事業の基盤強化や生産能力増強により持続的な利益成長と安定的なキャッシュ創出を図り、成長分野に経営資源を集中的に投下してまいります。
また、グローバルな事業拡大・新たな事業創出を行い、価値創造型事業の展開により、さらなる成長を実現させてまいります。