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第5回 いよいよ収穫

種まきから7ヶ月あまりいよいよ収穫です!
収穫から脱穀(だっこく)までを
見ていきましょう!

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1. 収穫を迎えた小麦畑

種まきから7か月余り、6月になって緑色だった小麦は黄褐色に変わりました。
穂にはたくさんの実がつきました。さあ、いよいよ収穫です。

2. 刈り取り

根が抜けないように、根元を足で踏み抑えながら、茎を左手でつかみ、右手の鎌で引くように
刈り取ります。根が抜けやすいので、よく切れる鎌で刈り取りましょう。
麦束は乾きやすくするため小さな束に結びます。

3.刈り取った小麦

刈り取った小麦はすぐには脱穀できません。
刈り取り後、麦束を風通しの良い場所に広げて乾燥させます。
洗濯物を干す場所があれば、麦束を竿にかけると、いっそう良いでしょう。

4.変化する小麦の色

刈り取り期の小麦の実は、水分が30%以上あります。
水分を20%程度以下になるように乾燥させてから脱穀します。
この判断は、数粒を穂から取って、歯で半切すると、硬さが伝わってきます。
この感じがあれば脱穀できます。
また、粒に爪を立ててそのあとが残らないくらいの硬さも脱穀の目安となります。
2週間乾燥させると、このように色が変わりました。

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5.脱穀

脱穀は、穂から実を落とす作業です。
よく晴れた日は、実が落ちやすく作業がしやすくなります。
和光中学校では、購入した足踏み脱穀機を使っています。
脱穀機の中で、扱き胴(こきどう)が回転して、穂から実を落とします。
殻(から)は軽いので外に飛ばされて、実は下に落ちてきます。

6.ふるう

脱穀機の下に落ちた実は、篩(ふるい)にかけます。
実と殻のほかに茎や穂軸、石などが混じっています。
ふるいを数回繰り返すことで実以外のよけいなものを取り除きます。

7.精選

よい実を選ぶことを“精選(せいせん)”といいます。

“唐箕(とうみ)”と呼ばれる道具を使って、まだ残っている“から”を取り除き、
同時に軽い実とよい実を分けます。左に“から”と軽い実、右に良い実が落ちてきます。

普通、この唐箕を使うことはできませんので、
小さい実(屑粒:くずつぶ)を落とすことができる細目の
園芸用篩(3段階の網目がセットなっています)をホームセンターで買い求め、
何回か篩(ふるい)を通してよい実を選んで下さい。

この篩がなければ、手作業で屑粒を取り除いて下さい。また、もし黴(か)びた粒、
変質した粒色の粒や病害虫に侵された粒が目についたときには、手で取り除いて下さい。

8.小麦の実

これが、小麦の実です。小麦色と言われるのは、この飴色のことをいうのです。
日本の小麦品種は、多くがこの「赤粒」ですが、欧米の品種は「白粒」が大半です。 *和光中学校では、1クラス(38人)、50㎡の面積から約10kgの小麦粒(200g/㎡)が得られました。
秋にまく種子を一部(500g程度)残して、うどん用とパン用の小麦粉にしています。
石臼で挽いて、この小麦粒の70%程度が小麦粉になりました。

9.種子乾燥

精選した実は、水分が10数%以下になるように乾燥してから保管します。
天気の良い日に、風通しの良い場所を選んで、筵(むしろ)か、昼寝ござか、竹製の盆ざるに紙を
敷いて精選種子を拡げます。これを1~2日の間、天日干しして種子を乾燥させます。
この時期、晴天であれば、実の水分は10%程度になります。

10.種子保存

和光中学校では、この実を湿気ないように密封した容器に入れて、冷蔵庫で保存しています。
室温においておくと、バクガやコクゾウ虫がついて、折角苦労して収穫した実が
食べられてしまいます。放置しておくと、ネズミの被害もあります。