時間栄養学
2022.3.25
第2回 体内時計を動かす食事

監修:愛国学園短期大学講師 古谷彰子先生

朝食におすすめの食材とは

食事による体内時計のリセット効果について前回述べさせていただきましたが、実際には「いつ」、「どのようなものを」食べていったらよいのでしょうか。今までの研究で分かった食べ方についての幾つかの例をお示ししたいと思います。

朝食のカギになるものは「バランスの良い食事」と「GI値」。GI値とは血糖値の上げやすさを示した数値のことで、GI値の高い食べ物は、インシュリンをたくさん分泌します。このインシュリンによって体内時計は動かされることがわかっているのですが、なんと、GI値が100のグルコース(ブドウ糖)やお砂糖だけでは体内時計は動きません。バランスの良い食べ物であることの前提が必要なのです。

その中で、一番体内時計を動かしてくれたのがGI値を上げやすい炭水化物(米、小麦、トウモロコシ)とタンパク質の組み合わせ。脂質のなかでは、青魚に多く含まれるEPA・DHA、えごま油やアマニ油のα-リノレン酸などのω3(オメガ3)系という脂肪酸を多く含む食材。インシュリンを出しやすい機構が発見され、朝食に最適であるといえますね。炭水化物と脂質とタンパク質のバランスと体内時計の観点から食事を見ると、朝食としては「ごはん+焼き魚」「ツナサンド」「寿司」などが効果的といえます。日本の伝統的な朝食といえば、ごはん(炭水化物)、魚(タンパク質、魚油)、味噌汁や納豆(タンパク質)などが頭に浮かびます。タンパク質とグルコースの組み合わせの中に魚油(魚)も含まれていますから、つくづく朝食として理想的ですね。

活動時間によって食べる中身を変えよう!

体内時計を動かすのがいい食べ物、動かさないのは悪い食べ物という分け方ではありません。
夜遅くに夜食を摂らざるを得ないような場合は、あえて体内時計を動かしにくい低GI食材、たとえば「そば、玄米ごはん」のようなものを摂るほうがよいことになります。また、イモ類などに含まれる地下でんぷん(土の下で育つ植物に多いでんぷん)や食物繊維も体内時計をリセットしづらいこともわかっています。

もともと体がもっているリズムというのは、1日で一気に崩れることはありませんが、夜になっての大食い生活を続けていると、夜型になっていくこともわかっていますし、チョコチョコと回数を増やして食べていると、絶食時間が、どれも短くなってしまい、体内時計をほとんど動かすことができなくなります。
時間を考えて、食べる、運動する、寝起きする・・・体内時計を意識した生活こそ、健康への近道になるといえるのではないでしょうか。