校長先生、そして為末先生にも本日の感想をうかがいました。

受講のきっかけ

私の思いというのは、子どもたちに夢を持ってもらいたいということ。毎年3月に6年生の子どもたちと会食しているんですが、その時に将来の夢と、その夢をかなえるために今どんなことをしているのかを聞かせてもらっています。爲末大学食育学部はまさに私の考えと同じことを、為末先生とこばた先生にやってもらえるというのが大きいですね。また長山中学校区では今年から小中学校が連携した小中一貫教育に力を入れており、その一環として今回は松葉小、長山小での合同開催をお願いしました。
(長山小・仁平 伸一 校長)

私は常日頃から、本気でがんばっている本物の方に教えていただく経験をすることが大切だと考えていますので、今回為末大先生から直接教えていただけることは子どもたちにとって非常に有意義で、将来子どもたちの成長に必ず役に立つものだと思っています。 (松葉小・青山 利正 校長)


茨城県龍ケ崎市立長山小学校 仁平 伸一 校長

今日の授業で印象に残ったのは、「職業と夢は違う」という為末先生のお話でした。職業に就いてその先に何をするのか、というのは子どもたちが普段考えていないところだと思います。夢のシートに「人の役に立つことをしたい」と書いている子が何人かいて、その子たちに「役に立つにはどんな職業が考えられる?」と聞いてみたのですが、夢をかなえるために職業を考える、その職業に就くためにどんなプロセスをふめばいいのか考える、という取り組みを今日の授業を通じてできたかなと思います。

ハードルの授業では、普段の練習に比べてスタート地点に戻ってくるスピードが圧倒的に速かったですね(笑)。次また跳びたい!という子どもたちの気持ちが、動きはもちろん表情からもあふれていました。それも為末先生が跳び方のコツを的確に話してくださったからだと思います。子どもたちもどんなことに気をつければいいのかわかりやすかったと思うので、やはりプロの方は違うなと感じましたね。食育については、龍ケ崎市では「親子で作る給食献立コンテスト」が毎年開催されていまして、松葉小も長山小も表彰を受けているので食に関する意識の高いご家庭が多いんです。今日の発表でも、栄養についてきちんと考えていてわかりやすかったですね。

今日は一日を通じて子どもたちの表情が明るく、満足しているのがよくわかりました。また松葉小と長山小の6年生が合同で授業を受けることで関係を作ることができ、さらに両校の6年生が進学する長山中学校の先生も見学に来てくださったので、今回の体験を生かして中学進学後も継続した指導を行えればと考えています。



茨城県龍ケ崎市立松葉小学校 青山 利正 校長

今日の子どもたちは、ふだんの授業とは目の輝きが違っていましたし、多くのものを身につけることができたのではないか、という印象を受けました。ハードル自体は授業で経験していますが、ハードルが苦手な子や運動が得意でない子も今日はとてもよくがんばっていましたね。やはり為末先生のちょっとしたコツやアドバイスが、子どもたちに響いているんだなと感じました。為末先生はとても気さくでフレンドリーな方でしたね。子どもたちの輪の中に入って、子どもたちの話を聞きながら授業を進めてくれたのはとてもよかったと思います。

6年生にとって食育はとても大事で、ここで将来にわたる食の知識や考え方が養われていきます。中学高校と学年が上がっていくと習慣化することがむずかしくなることも、小学校の今なら習慣化につながるかなと思いますし、保護者が一緒に聞いてくださっていたので、家庭での取り組みに活かせるという点もよかったと思います。夢の授業に関しても、学校でも夢について話す時間を作っていますが、こうして夢を実現させた人に授業をしてもらうことで、子どもたちの意欲はより増したのではないでしょうか。

今日は体を動かして、食事について考えて、自分の夢をかなえる方法を考えるという3つの要素を通して学ぶことができましたので、今後も体育・食育・キャリア教育については力を注いでいきたいと考えています。夢についてはまだ決まっていない子もいますし、これから夢が変わっていく子も多いと思いますが、本当にやりたいことが見つかった時にがんばれるように力をつけていけたらと思います。


為末先生の感想

今日は初めちょっとかたい感じかなと思ったんですが、思った以上に元気で人なつっこい子どもたちだったので、楽しい授業になってよかったです。ハードルの授業では高さをクリアすることよりも、跳ぶ面白さを感じることのほうが重要かなという気がしたので、ハードルのトレーニングに重点を置いた内容にしました。最近はウォーミングアップでおんぶしてぐるっと回るゲームの時にどれくらいできるか、スキップの時にどれくらい高く跳べるかといったあたりを見ながら、どんな風にハードルに取り組むかさじ加減を考えています。今日の子どもたちは陸上をやっている人が少ないようでしたが、なじみがないわりには積極的にチャレンジする子が多かった印象がありますね。

夢の授業ですが、お父さんが科学者をされているので自分も科学者になりたい、といったような子が多かった気がします。でもぼんやりとしたイメージしかない子でも、「あんた料理が好きじゃない」と友だちにツッコまれて「そういえばそうだ、料理好きなんだよな」と気づいて料理人と書いている子もいたり。友だちから長所を指摘されるというのは面白いなあと思いましたが(笑)、夢を考え始めたばかりの子と、すでに家庭で夢についていろいろ話している子と幅がある気がしました。地球温暖化をくい止めたいという子がいて、なぜそういう考えに至ったのかという話を聞けて面白かったですし、レスリング選手でオリンピックに行くという子と「2024年?」と聞いたら「間に合わないな、2028年だな」なんて話をしたのは楽しかったです。

夢のシートは以前よりシンプルになったのでいいかなと思います。ただ、ストーリーを考えるのに苦労している子もいたので、もっと時系列で枠を作って内容をはめこみやすい形にしたほうがいいのかな、とも考えています。また食育の時間では、授業中にお弁当のメニューを組み合わせるのも面白いかもね、とこばた先生と話しているので、来年度も試行錯誤しながら子どもたちと楽しくふれ合えたらと思っています。