秋にまく小麦の品種は、冬の寒さを経ないと、出穂(しゅっすい)できません。寒さにあうことにより、身体を作っている栄養成長から生殖成長へと転換して、幼穂分化が進行します。この低温要求度は品種によって大きく異なり、東北や北海道の秋まき品種は寒さの期間が長く必要です。これらの品種は、寒さにあわないと、いつまでも身体が伸びるだけで、穂が出ません。逆に、春にまく品種は、寒さにあう必要がなく、寒さの厳しい北海道の一部の地域では春を迎えた5月に種まきをして、8月中・下旬に収穫します。