校長先生、ご担当いただいた先生、そして為末先生にも本日の感想をうかがいしました。

受講のきっかけ

当校がある地域は横手市内でも農業が主体で、3世帯同居も多く、非常にのんびりした環境の中で生活している児童が多く、なかなか本物を見るという体験をすることがありません。 今回は世界で活躍した有名なアスリートの方が学校に来て教えていただけるということは、学習材料として貴重な機会ですし、子どもたちにとっていい刺激になるのではないかと思い、 本日の授業を学校を挙げて楽しみにしておりました。当校では日頃から子どもたちに夢について考える機会を設けているので、子どもたちの夢に結びつくで企画ということで非常に期待しておりました。(校長談)


秋田県横手市立横手北小学校 石川 淳 校長

今日はとても話し合いが盛り上がりましたし、どの子もみんなの前でしっかり発表できていたのでよかったなと思います。ただ、前もって用意したことを発表することはできても、 為末先生から質問されて、その場で答えるのはまだまだむずかしいと感じましたね。考えていることはあって、本人も答えようとしているのですが、なかなか言葉がうまく出てこないという感じでした。 為末先生がうまく子どもたちの言葉を引き出してくださって、私自身もとても勉強になりましたが、今後は子どもたち自身が思いを伝える力、相手の言葉を受けて伝え返す力を身につけられるよう、 学校としてもサポートしていけたらと思っています。

ハードルの授業では、導入からゲーム感覚の体操から始まり、ユーモアも交えながら為末先生が子どもたちの背中を押してくれているのを感じました。 ハードルを跳んでいる時間はわずか15分ほどでしたが、子どもたちがチャレンジしようとする姿勢が伝わってきて非常によかったなと思います。 また当校の児童はスポーツ選手の夢を持っている子が多いこともあり、食育の授業もみんなの夢に直結する内容でよかったですね。

何より夢を漠然としたものでなく、具体的なストーリーとしてあらわそうという為末先生の問いかけが一番大きかったと思います。夢について具体的に考える土俵に上がることで、 改めて子どもたちが自分の夢に関心を持つことができた。あの切り口は本当に面白かったなと思います。「夢に時を刻むと、それは目標になる」と私は子どもたちに話しましたが、 大人が言ってもなかなか伝わらない部分をわかりやすく伝えてくださって、とてもよかったですね。期待以上の成果でした。願わくば、毎年来ていただきたいくらいです(笑)。


秋田県横手市立横手北小学校 木村 司 教頭

今日は子どもたちが為末先生といっしょにのびのびと勉強している姿を見て、とても嬉しく思いました。ハードルの授業では、 普段子どもたちが体育の授業でやっているハードルよりもむずかしいセットにどんどん挑戦していたのが印象的でした。為末先生は擬態語や擬音語を使って子どもたちにわかりやすく説明していましたが、 それだけでなく何か子どもたちがチャレンジしやすいように背中を押す力があるんだな、と感心しながら拝見しました。

最後には子どもたちが先生の前でやりたいやりたい!と手を挙げていてすごかったですね。当校は横手市北部にあった3つの学校を母体校に、 学区再編を含めて6校から生徒児童が集まってできた新しい小学校ですので、一体感が課題としてあります。それが2つの学年の集団の中で自分を表現できたということは、ある程度、 自分の中に所属感がないとできないと思うんです。ですので、子どもたちが自分をアピールしている様子を見ることができたのは、教頭としてとてもうれしい場面でした。

今日の為末先生とこばた先生の指導で感じたのは、おふたりの醸し出す魅力。普段はあまり体育に積極的に取り組めない子や、いつもは手を挙げない子が、今日は積極的に取り組めたと思うんです。 人にはそんな風になんともいえない魅力というものがあって、人の気持ちを動かす力があるということを、なんとなくでも子どもたちが感じてくれていたらいいなと思います。 こんな風に魅力的な人とふれあうことも、夢に近づく秘訣なのではないでしょうか。


為末先生の感想

今日は今までにないくらい元気な子どもたちだったなと思います。ハードルの授業でもどんどんチャレンジしてくれる子が多くて、こちらが教えることがないくらいやりやすかったです。 また、何人かの子がすごく具体的に夢の話をしていたのがとても印象的でしたね。あとで校長先生にうかがったら、子どもたちは日頃から自分の夢について考える機会があり、 夢の木に七夕みたいにカードに夢を書いて吊り下げて、6年間夢を育てていこうという活動をされているそうなんですね。そういう経験があると、こんなに夢のストーリーがまとまるんだなと感心しました。 最初の発表からしっかり考えてあったし、手を挙げる率もすごかったですよね。「職業は決まっていないけど、方向性は決まっています」と話していた子もいて驚きました。

夢の授業では今まで聞いたことのない話をする子が多くて、話していて面白かったですね。夢についてしっかり考えている子は情報をたくさん持っているなと思ったんですが、 ひとり「ロボットを作るのが夢」という子がいて「今の技術でどこまでいけると思いますか?」と質問されて驚きました。もしかしてその子はお父さんがそういう研究をしているのかもしれないですよね。 あと、ある班では「ユーチューバーになりたい」という子に対して別の子が「もういつでもなれるじゃん。これからどんどん競争相手が増えていくんだから、今のうちにやらないと損だよ」と説得していて、 すごいなと(笑)。

とにかくきちんとよく話をする子が多かったですね。誰かと話すことで考えがまとまったり、新しい情報を引き出せたりするので、話をする子が多いと夢が広がっていいなと思いましたね。

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