校長先生、ご担当いただいた先生、そして為末先生にも本日の感想をうかがいしました。

受講のきっかけ

本校は今年115周年をもって閉校となり、2016年4月には新たにこの場所で手宮中央小学校が開校いたします。そのため新築工事をしており、3年間グラウンドがない状態。そこで子どもたちに外で思いっきり体育の授業ができる、思い出になる1時間を作れないかと思っていたところ、爲末大学食育学部を知り、応募を決めました。また子どもたちにとって本物に出会う機会というのは非常に大事だと思います。世界で戦ってきた為末先生の姿を、ぜひ子どもたちに見せてあげたいというのも、もうひとつの理由です。 (校長談)


北海道小樽市立 手宮小学校 仲倉 優 校長

一日の授業を通じて、私が感じたのは「どんどん」というキーワードです。1時間目は子どもたちがどんどんハードルを跳べるようになって、自信をつけてくれた、楽しんでくれた、それがとてもよかったなと思います。たった半日でしたが、子どもたちの成長を非常に感じましたね。はじめは子どもたちも緊張感がありましたが、為末先生のオーラなのか、どんどん子どもたちの表情がやわらいで笑顔になって、ハードルを倒しても転んでも何回も跳ぼうとする姿には本当に驚きましたね。

夢の授業では、為末先生がお話しされていた「夢の先」のことがとても印象的でした。私たちは「夢を持ちましょう」という話はするんですが、その先のことを考えるというのは子どもたちにとってもいい勉強になったと思います。今の子どもたちは夢をもてない子も多いと言われていますが、夢を持つことが次へのエネルギーになるということが子どもたちにも伝わったんじゃないでしょうか。夢のストーリーもすごくよくできていたので、為末先生と話してのせられたのかなあと思います。 どんどん夢がふくらんでいました。

食育についてはいろいろな柱がありますが、今日は食べることを考える「選食」について子どもたちも保護者の方々も改めて考えてくれたんじゃないでしょうか。今日から変わるとは思いませんが、今日は食べ過ぎたね、野菜をちょっと食べようか、と考えるきっかけになるといいなと思っています。子どもたちのお弁当を写真で見た時はちょっと盛りだくさんすぎるかなと思ったのですが、発表を聞くとしっかり考えてくれたのがわかって、とてもよかったですね。

今日は市長や教育委員会の方々も多数いらっしゃったんですが、みなさん為末先生のファンになって帰られましたよ。本当なら私たちには手の届かないような方なのに、本当に気さくで物腰の柔らかい方で、そういうオーラが子どもたちをひきつけたんじゃないかと思いますね。為末先生とこばた先生に子どもたちの力を引き出してもらったと思います。今日をきっかけに、子どもたちの夢をもっともっと応援していければと考えています。


北海道小樽市立 手宮小学校 6年生担任 渡邉 亮介 先生

今回は世界の第一線で活躍されてきた為末選手に指導していただけるということで、子どもたちにとっては貴重な機会になったと思います。6年生には、運動があまり得意ではない子もいて心配していましたが、どんどんハードルを跳べるようになって、さすが一流の方の指導だなと驚きました。夢の授業では、これまでは自分の夢について発表するのが恥ずかしいという子が多かったのですが、為末先生と話をする中で、きちんと夢について語れるようになったのはよかったですね。普段は表に出しませんが、子どもたちは自分なりに長所をちゃんとわかっているんだなと確認できたのは大きな収穫でした。

為末先生が「自分のよさを生かすことが大切だ」とおっしゃっているのを何かで聞いたのですが、今日の授業でもハードルを徐々に高くすることで、ハードルが苦手な子でも少しずつステップアップできるよう配慮がされているのを見て、指導者としても大変感心いたしました。小学校というのはすべての基礎になるところですから、今の時期に一流のものに触れたというのは子どもたちにとって人生のプラスになったと思います。今日の経験が子どもたちにとって今後の進路を決める時や、夢に向かって進む道を自分の力で決める手助けになってくれたら嬉しいですね。


北海道小樽市立 手宮小学校 5年生担任 木田 美紀子 先生

為末先生もこばた先生も、とても素敵な方でした。私がそう思ったので、子どもたちも素敵な先生方に教えてもらえて、すごく楽しい、心に残る1日になったと思います。最初こそ緊張していた子どもたちでしたが、準備体操の時にカラダだけでなく心までほぐすような為末先生の語りかけに、みんなすっかり引き込まれてしまったみたい。教室に戻ってきた時も「楽しかった。」と口々に話していたので、すっかり為末先生のことが好きになってしまったんでしょうね。

夢の授業については5年生の場合、職業というより「こういう人になりたい」という人物像を語る子が多かったように思いました。それはそれで素敵なことですよね。バッターボックスに立つ時は手宮小の校歌を流すとか、子どもなりの発想を感じました。この「夢をかなえたい」というパワーを持ったまま大人になってくれたらいいなと思います。今日は友だちと話し合う時間がたくさんあったことで、より友だちのよさやがんばりを知ることができたかなと思います。夢は願えばかなうということが今日の授業で子どもたちの胸に焼き付いたと思うので、これからは大きな夢だけでなく小さな夢、小さな希望をみんなで積み重ねていけたら、新しい仲間と一緒に素敵な小学校生活を送れるんじゃないかと思います。

為末 先生の感想

今日は子どもたちが一所懸命取り組んでくれて、すごく楽しかったですね。ハードルもみんな高いハードルをどんどん跳んでくれて嬉しかったです。一番低いハードルを誰も跳ばないなんて、初めてのことじゃないかな? 子どもたちにとってはちょっと物足りなかったかもしれませんね。とても身体能力の高い子どもたちだなという印象がしましたし、中にはハードルがうまい子もいました。グラウンドをしばらく使っていなかったそうですが、今日の授業が子どもたちにとっていい機会になってくれたらいいなと思います。

爲末大学食育学部3年目突入にあたっては、夢の授業をよりシンプルにしたいという狙いがありました。比較的早い段階でどんなことをやりたいのか、なぜそれをやりたいと思ったのかということを子どもたちに確認することで、話し合いの時にはその先にある思いをじっくり引き出したいなと考えていたんです。人前で夢について話すことはいいことなんだ、という空気を作っていけたらとも思っていましたが、今日の子どもたちはいろんな種類の夢について臆せず話してくれたし、すごくよかったなと思います。

ストーリーについても、ディテールがすごく作りこんであって面白かったですね。今日の授業を見て思ったんですが、夢を考える時に10代、20代、30代とか、シートに年代別に書き込むフォーマットを用意してそこに埋めてもらうほうが子どもたちはイメージしやすいのかもしれないな、と思いました。そのあたりは今後の授業に生かしていきたいですね。


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