2時間目は、みんなで「夢」について語り合う授業です。 世界にはさまざまな考え方や夢を持った人たちが生きています。自分と違う人の考え方を受け入れ、自分の考えを相手にきちんと伝える力は将来必ず必要とされる。子ども達にもそれを感じてほしい……そんな為末先生の思いを、子ども達はどんな風に受け止めるでしょうか。

 

子ども達には事前に「夢の階段シート」を配り、自分の夢について考えをまとめてもらいました。芳賀小学校の6年生は、1学期から将来の職業について考えるキャリア教育の授業を重ねてきたとのこと。 「子ども達が将来について考えをまとめるいい機会になりました」と6年1組担任の栁沼富美子先生。

事前授業での夢の発表  -自分の考えを人前で話す-

普段は話さないことも勇気を出して話してほしいこと、夢を発表してくれた人にはちゃんと拍手をして応援してあげること、みんなの数だけ夢があるということなど、 話し合いにあたって為末先生からいくつかのルールを説明した後、「じゃあ、夢を発表してくれる人」と呼びかけると、1人また1人と手が挙がります。

「水族館の館長になりたい」「ゲームクリエイターになって面白いゲームを作りたい」「アトラクションキャストになって遊園地で働きたい」など、子どもらしい夢もたくさんありました。 その一方で、「震災の後でお医者さんや看護師さんが活躍しているのを見て、私も人の役に立つ看護師になりたいと思った」「避難所で支援しているのを見てカッコよかったので、陸上自衛官になりたい」など、 震災時の体験が子ども達に影響している様子も見て取れました。



話し合い  -夢のストーリーをみんなで話し合う-

子ども達の発表が終わると、今度はグループに分かれて話し合いの時間です。「夢をかなえるまでの具体的なストーリーを考えてみてください。 何歳でどうなっているのか、何歳で結婚するのか、子どもは何人いるのか。夢を達成した時に、誰がどんな風に喜んでいるのかも想像してみてください」と為末先生から課題が与えられ、1人1人の夢のストーリーをみんなで考えていきます。

いつも元気な芳賀小っ子たち、話し合いでも活発に意見が飛び交います。キャリア教育を受けているだけあって「車の免許は18歳で取れるから、ここで免許を取るでしょ」 「高校で学年トップになって医大に入って…」と内容も具体的。そんな子ども達の輪に為末先生も参加して、「何歳でJリーガーになっている?」「夢がかなった時は誰が喜んでいる?」 「40歳くらいまで考えてみて。結婚している?」と問いかけていくと、話し合いはさらに盛り上がっていきます。

特に子ども達にとって結婚は一大関心事のよう。「先生は何歳で結婚したんですか」「結婚するまで何年つきあったんですか」「奥さんとはどこで知り合ったんですか」
「38歳で結婚したらマズいですか」と、あちこちで為末先生をつかまえては質問攻めにしていました。


発表 -夢を具体化し、目標を設定する-

活発な話し合いが終わると、みんなで考えた「夢のストーリー」の発表です。「17歳で専門学校に入って25歳で特殊メイクアーティストになり、世界中の人を驚かせる」 「16歳で小説家デビューして、18歳で本がヒット。20代で仕事が充実して、結婚して子どもは男の子2人と女の子1人。30代で小説がドラマ化やアニメ化されて、声優さんや未来の子ども達が喜んでくれる」と、 発想力あふれる子ども達のストーリーに為末先生も感心しきり。

ある子どもが「23歳でスポーツメーカーに就職して、26歳で高性能のサッカースパイクを作り、45歳で社長になって楽しい生活をしていきたい」と発表した後に、 別の子どもが「17歳でサッカー日本代表になり、22歳でJリーグに入ってバルセロナを倒し、日本の強さを世界に見せつけて、それを見ている人を喜ばせたい」と発表。 「ちょうどサッカーシューズを作る人と履く人がそろったね!」と為末先生もエールを送りました。

まとめ 

1人1人のストーリーの中には、喜んでいる家族や友だちや世界中の人の笑顔がありました。「自分が夢をかなえる時に、誰かが喜んでくれているということを子ども達に感じてほしい」という為末先生の願いは、しっかりと子ども達に届いたようです。
「たとえばサッカーシューズを作るのが夢なら、それを履いているサッカー選手が喜んでくれるかもしれない。シューズを履いた選手が試合に勝つことで、ファンや子ども達が喜ぶかもしれない。 世の中にはいろいろな仕事がありますが、どの仕事も最後は誰かを幸せにしています。誰かを幸せにするために、みんなは夢を追いかけているんだということを覚えておいてください。 夢は口に出して言わないと、なかなかかないません。どうか怖がらずに自分の夢を宣言してください。そして友だちの夢を応援してあげてくださいね」 為末先生からの熱いメッセージに、子ども達から大きな拍手がわきました。



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