2時間目は話し合いの授業です。 グローバル社会の中で、これから子ども達はさまざまな国や文化や考え方の人と触れあうことになります。だからこそ、「自分の考えを相手にしっかりと伝え、また相手の考えをしっかりと理解する力は、日本人にとって欠かせないスキルになる」と為末先生。 そこで今回も「夢」をテーマに、子ども達同士で話し合ってもらうことになりました。

 

はじめに話し合いのルールを確認。 自分がどう思うかを一番大事に考えること、相手が何を言ってもばからしいと思わないことなど、話し合いにあたっていくつかのルールを説明しました。

授業に先駆けて、全員には「夢の階段シート」と呼ばれる用紙が渡され、「あなたの夢は何ですか?」「なぜそれが夢になったのですか?」「自分の持ち味」という3つの質問について、考えを事前にまとめてきてもらいました。

事前授業での夢の発表  -自分の考えを人前で話す-

さっそく為末先生が「みんなの夢を教えてください」と呼びかけます。
人前での発表は少し恥ずかしそうでしたが、それでも「『宇宙兄弟』というマンガを読んで宇宙飛行士になりたいと思った」「長距離走が得意なので、箱根駅伝に出たい」「魚に興味があるので漁師になりたい」など、次々に夢が発表されていきます。
「どうしてプロテニス選手になりたいと思ったの?」などと為末先生から質問されても、「錦織選手がカッコいいし、テニスが楽しいから」と、その場で回答するなど堂々とした発表ぶりでした。


話し合い  -夢のストーリーをみんなで話し合う-

発表が終わると、3〜4人のグループに分かれて話し合いの時間です。
「自分がどんな風に夢に向かっていくのか、何歳でどうなっているのか、具体的なストーリーを考えてみてください。また、夢を達成した時に誰がどんな風に喜んでいるのかも想像してみてください」
と為末先生から課題が与えられ、それぞれが夢を実現するまでの道のりを考えていきます。

発表する時は恥ずかしそうにしていた子ども達も、いざ話し合いになると「ファッションデザイナーになるには専門学校に行くのかな?」「ゲームクリエイターってどんなゲームを作るの?」と積極的に意見が飛び交います。
また、わからないことがあると為末先生を呼んで「漁師の学校ってありますか」「電機の勉強ができる大学はどこですか」と質問攻めに。

発表 -夢を具体化し、目標を設定する-

話し合いが終わると、1人ひとりの「夢の達成ストーリー」が発表されました。 「サッカーの強い高校に進んで全国大会に出場し、Jリーグで活躍したのちに海外チームに移籍。 Wカップに出場して35歳で現役を引退し、自分のチームを作って監督になりたい」といったように、それぞれの夢は驚くほど具体的な内容へと変化していました。

さらに為末先生が「キミがプロのサッカー選手になった時、誰がどんな風に喜んでいますか」と問いかけると、「お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんがスタンドで喜んでいます。 それを見て僕も気分が盛り上がって、うれしい気持ちになります」と答えるなど、言葉のキャッチボールによって子ども達の夢がどんどん深まっていくのがわかりました。


まとめ 

最後に為末先生から子ども達にメッセージが送られました。
「今日は、みなさんの夢の奥で誰がどんな風に喜んでいるのか、それを見て自分がどんな風に感じるかを考えてもらいました。世の中にはいろんな職業があります。 そして、みなさんにはそれぞれに持ち味や得意なことがあります。今みんなが思い描いている夢は、もしかしたら叶わないかもしれません。 けれど、みなさんの得意なことを活かせば、違う形で人を喜ばせることはできるんです。
だから今日考えた〈どんな風に、誰に喜んでもらいたいか〉という気持ちを大切にしてください。そうすることで自分も幸せにしてほしいと思います」
笑顔で記念撮影をして、子ども達の授業は終了。すっかり子ども達の中にとけ込んでしまった為末先生、最後は握手攻めにあっていました。


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