世界の小麦粉料理 第30回

中央アジアの国ウズベキスタンは、1991年ソ連邦崩壊によって独立しました。
国土面積は日本のおよそ1.2倍、国土の半分以上は砂漠です。

ウズベキスタンは、2500年もの昔からシルクロード貿易の中継地として、重要な役割を担っていました。
シルクロードというと中国とヨーロッパを結ぶ1本の道と思われがちですが、実際にはいくつかのコースがあり、ウズベキスタンが中継点になる山岳コース「オアシス路」はその代表的なルートでした。

ウズベキスタンは世界でも稀なダブル・ランドロックカントリーと呼ばれる国です。
内陸国(ランドロックカントリー)ウズベキスタンの国境は、当然他国と接しています。そして、その隣接するすべての国も内陸国(ダブル・ランドロックカントリー)で海に面していません。つまり、ウズベキスタンの人は、2つの国境を越えないと海が見られないのです。

ビビニハム地区のモスク世界遺産

ウズベキスタンの料理は、トルコ、中国、ロシアなどの影響を受けています。
アジアの東西文化の中継点ウズベキスタンでは、米もパンも食べられています。
アジアの国々では米食が多いのですが、ウズベキスタンでは小麦粉料理は欠かすことができません。各地で行なわれているバザールでは、いろいろな種類の小麦粉が日本よりもはるかに大きな袋につめられて売られています。
トルコの影響でしょうか、「ウズベキスタンではどんな料理にもお茶とパンがつく」といわれています。
ウズベキスタンを代表するパンはナンです。インドのナンとは違い、直径30cmくらいの丸い生地をきつね色になるまで焼いたパンで、とてもおいしいと評判です。
もともと、砂漠に暮らす遊牧民が保存食として食べていたもので、水をつけて焼きなおすと2年くらい持つそうです。地域によって形や味わいが少しずつ違います。

シルクロードを通じて中国から伝わった小麦粉の麺は、うどん料理としてウズベキスタンに根付きました。
その代表が、今回ご紹介するラグマンです。
トマトスープの洋風うどんは、日本人にも合いますし、ロシアでも好まれて広く食べられています。最近ロシアで「さぬきうどん」の店がオープンしましたが、ラグマンがその下地になったのかもしれません。

首都タシケントは1966年に震度8の大地震に見舞われ、市内の建物3分の2が倒壊するという壊滅的な被害にあいました。
復興を果たした現在は地下鉄も走る百万都市で、何でもそろう文化的な都市です。
サマルカンド、ブハラ、ヒワといった都市では、中世イスラム文化を保存した建造物が世界遺産に登録されています。


出典及び参考文献

  • 「シルクロード 歴史と今がわかる事典」岩波ジュニア新書
  • 「2012 エピソードで読む世界の国」山川出版社
  • 「ウズベクのむかしばなし」新読書社
  • 「世界の食生活 ソビエト」リブリオ出版

バザールに並べられたウズベキスタンのナン

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

フードコーディネーター。
コルドンブルーに通いフランス菓子を学び、同時期に都内のパン教室でパン作りも学ぶ。
その後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。現在「Witch’s Kitchen」主宰
自宅で開催する料理教室では誰にでも簡単に出来るアレンジ家庭料理を提案している。
その他、オリジナル菓子をインターネットの店舗に提供したり、カタログや広告媒体の料理製作、スタイリングなどにも携わっている。

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