世界の小麦粉料理 第29回

マカオの世界遺産(聖ポール天主堂跡)

マカオは香港の西60キロぐらいにある半島で、中国の特別行政区です。
面積は、東京都世田谷区の半分ほどしかありませんが、その中になんと8つの広場と22の歴史的建造物が世界文化遺産に指定されています。

マカオは古くからの港町です。
16世紀にポルトガル人が初渡来し、ヨーロッパとの交易がはじまりました。
さらにマカオを拠点にして、フランシスコ・ザビエルらがアジア各地でキリスト教の布教活動を展開しました。
当時、戦国時代だった日本は、すでにマカオとの交易があり、船で行き来していました。
16世紀中頃、織田信長など何人かの戦国大名たちは、はじめてポルトガル人の存在を知ります。それは、世界にはアジア以外にも人がいることをはじめて知ったことでもありました。そして、彼らが売り込む日本のものとは比べ物にならない威力を持つ、銃や大砲に驚嘆しました。それぞれに野望をもっていた大名たちは、日本に渡ってきたポルトガルの宣教師に布教を認める変わりに、武器や硝石を輸入しました。

ポルトガルの統治下にあったマカオは、1999年、中国に返還されました。中国に返還された現在でも、ポルトガル系の住民は住み続けていて、ポルトガル語は公用語のひとつとして維持されています。
マカオに歴史的建造物が多く残されているのは、世界大戦などの戦争の被害を受けなかったためです。
中国らしさとヨーロッパのスタイルが融合した独特の街並みは、異国情緒に溢れ、2005年世界遺産登録以降さらに多くの観光客が訪れています。
また、マカオはあのラスベガスをしのぐほどのカジノ王国です。近年、観光客が増大している一因に美しい街並みと共にカジノがあげられます。

マカオの料理はバラエティに富んでいます。
香港と同じく、マカオでの飲食の中心は広東料理です。
中華料理というと、味付けが辛い、油っこいというイメージがありますが、広東料理は素材の味を生かしたあっさりとしたものが多いのが特徴です。
ワンタン、ヤムチャ(飲茶)などの広東料理は、世界共通語になっています。

マカオ料理と呼ばれるのは、ポルトガル料理の発展系です。
スパイスや出汁を効かせた食欲をそそるメニューが特徴です。
タラをすり身にしてコロッケにする「バカリャウコロッケ」、地元産のカニをカレーで煮た「カレークラブ」など、さまざまなスパイスをきかせた料理が名物です。
スイーツも、中華系、ポルトガル系と多彩です。中でも、最も有名なのが今回ご紹介するポルトガルがルーツの「エッグタルト」です。
たまごとクリーム、サクサクしたパイが絶妙のバランスです。是非、挑戦してみてください。

出典及び参考文献

  • 「大人のマカオ香港極楽ガイド」実業之日本社
  • 「地球の歩き方 マカオ’11~’12」ダイヤモンド社
  • 「マカオ ノスタルジック紀行」双葉社
  • 「マカオ物語」新潮選書

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

フードコーディネーター。
コルドンブルーに通いフランス菓子を学び、同時期に都内のパン教室でパン作りも学ぶ。
その後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。現在「Witch’s Kitchen」主宰
自宅で開催する料理教室では誰にでも簡単に出来るアレンジ家庭料理を提案している。
その他、オリジナル菓子をインターネットの店舗に提供したり、カタログや広告媒体の料理製作、スタイリングなどにも携わっている。

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