世界の小麦粉料理 第27回

エーゲ海沿いの景観。ギリシャには多くの観光客が訪れます。

バルカン半島の端に位置するギリシャ。エーゲ海、イオニア海、地中海に囲まれ、これらの海にはギリシャ領の大小400以上の島が点在しています。 神々しいオリンポスの山、どこまでも青く光輝くエーゲ海、エーゲ海沿いに並ぶ白亜の建物、古代宮殿や神殿が立ち並ぶ首都アテネ近郊、歴史あるギリシャは美しい景観を誇っています。

ギリシャは哲学、文学、美術、科学等で世界の文化の先駆けとなった国です。
ピタゴラス、ヘラクレス、ソクラテス、プラトン、ヒポクラテス、アリストテレス、誰もが名前だけは聞いたことがあるこれらの偉大な哲人たちは、みな紀元前600年から300年の間に活躍しました。

スポーツでも先駆けです。
ご承知のように1896年に開催された第1回近代オリンピックはアテネで行なわれました。近代オリンピックといわれるのは、その前にもオリンピックがあったからです。
古代オリンピックは、紀元前400年ころまで古代ギリシャの地で行なわれました(いつ始まったかは不明)。4年に一度の開催でした。アテネが第1回に選ばれたのは、こうした歴史があったからです。

第1回近代オリンピックは、陸上、水泳、体操、レスリングなど8競技43の種目で、出場は男子のみでした。水泳はプールではなく海で、レスリングは体重制限なし、陸上競技は現代の左回りではなく、右回りでした。変り種としては綱登りという競技がありました。どちらが早く綱をよじ登るかを競うものです。第2回フランス大会からは綱引きが採用され、大人気となり、地味な綱登りは3回目からは外されてしまいました。

地中海性の温暖な気候のギリシャでは農業が盛んで、オリーブの生産は世界第3位、トマトやぶどう、桃などの果物、また綿や葉タバコも多く生産されています。
一方、小麦が主食で、パイ料理など小麦粉料理がたくさんあるにもかかわらず、これまで自給できていた小麦の生産は近年減少傾向にあり、輸入で補っています。

イタリア料理の店名で頭に「タベルナ」がつくお店を見かけたことがありませんか。
「タベルナ」とは、もともとギリシャ語で、大衆食堂を意味します。
イタリアでも同じ意味で使われています。「タベルナ」は「食べるな」ではなく、「食べる店」ということです。

ギリシャでは手ごろな料金で食べられる食堂を「タベルナ」、レストランは「エスティアトーリオ」と呼んでいます。ギリシャの夕食は夜10時ごろと遅く、タベルナも夜は8時すぎにようやく店があきます。

ギリシャ語でもうひとつ。クリスマスは英語で「Chirstmas」と表記されます。Chirst=イエス・キリストをmas=礼拝するという意味です。
ところで日本ではローマ字表記の場合ほとんど「Xmas」となっていませんか。
キリストはギリシャ語では頭文字が「X」と表記されます。「X」をキリストの略語として作られたのが「Xmas」で、ギリシャ語と英語がミックスしてできたものです。

国民の9割以上がキリスト教を信仰しているギリシャでは、クリスマスは大切な儀式です。
そのクリスマスの時期によく食べられるお菓子が、今回ご紹介するメロマカロナです。
シロップに浸したクッキーで、独特な歯ざわり、品のいい味わいです。お試しください。

出典及び参考文献

  • 「MICHELINギリシャ」実業之日本社
  • 「近代ヨーロッパの探究(8)スポーツ」ミネルヴァ書房
  • 「世界の料理」ポプラ社
  • 「世界地理」ポプラ社
  • 「お菓子の世界・世界のお菓子」時事通信社
  • 「図解 食の歴史」新紀元社

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

フードコーディネーター。
コルドンブルーに通いフランス菓子を学び、同時期に都内のパン教室でパン作りも学ぶ。
その後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。現在「Witch’s Kitchen」主宰
自宅で開催する料理教室では誰にでも簡単に出来るアレンジ家庭料理を提案している。
その他、オリジナル菓子をインターネットの店舗に提供したり、カタログや広告媒体の料理製作、スタイリングなどにも携わっている。

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