世界の小麦粉料理 第1回

小麦粉料理と言うと、何を思い浮かべますか?
パン、ケーキ、うどん・・・といくつか返ってきます。
それでは、毎日小麦粉料理を食べていますか?と質問すると、そこまでは食べていない、小麦粉はあっても使いきれない、ご飯党だし、と、ちょっと否定的答えが多くなります。でも、小麦粉って私たちが思っている以上にもっともっと身近な存在で、普段からよく口にしているものなのです。
パンやお菓子はもちろん、スパゲッティ(マカロニ)は硬質のデュラム小麦という小麦粉。天ぷらやからあげの衣、お麩(ふ)、饅頭、中華まん、お好み焼きやチヂミ、カレーやシチューのとろみ(ルー)だって小麦粉なのです。

日本の小麦粉の約86%は輸入でまかなわれています(2007年資料)。日本産の小麦粉は、いわゆる中力粉に近い小麦粉で、「地粉」とよばれ、主にうどんやそうめんなどの麺類に使用されることが多いようです。 さて、小麦粉の歴史は古く、大昔から栽培されてきましたが、日本にはいつ頃やってきたのでしょうか。

小麦は今からおよそ2000年前、大陸の農耕文化が伝来してきたときに、大麦や大豆などの他の穀物と共に、朝鮮半島を経てもたらされたそうです。およそ1600年前の大和朝廷の時代には、玄米と一緒に麦、粟(あわ)、稗(ひえ)などの穀物も主食にしていたということもわかっています。麦、粟(あわ)、稗(ひえ)といえば、最近では雑穀ブームで、白米に混ぜて炊いたり、お料理に使ったり、栄養豊富ということで見直されている食材です。
小麦粉に話は戻りますが、およそ1300年前、弥生式文化の中末期の頃には日本でも小麦や大麦が畑で作られていたようです。

小麦粉と言えば一番に思い浮かべるのはパンですよね。日本にパンがやってきたのは1543年、種子島にポルトガル人が漂着してからだそうです。砂糖菓子などの金平糖などと同時期にパンはワインと並んで伝来。しかし、庶民の口に入るまでにはまだまだ先のこと。1874年(明治7年)に、酒種生地で小豆のあんを包んだ“あんぱん”の誕生を機に、日本独特の菓子パンが登場します。日本ではパンが普通に食べられるようになってまだ100年ちょっとなのですね。

また、うどんやそうめんなどは日本の食べ物、というイメージがあるかもしれませんが、この麺、ルーツをたどると実は中国から伝わったもの。 ホットケーキやドーナッツ、シュークリーム、などおなじみのお菓子も元々は外国から伝えられたものばかりですが、いまや国民食と言っても良いほど、浸透しているものばかり。小麦粉が私たちの生活に欠かせないものになっているのは間違いありませんね。

さてさて、この小麦粉、世界各国を視野に入れると、本当に様々な形(料理)に姿を変えています。 一口にパンと言っても色々な形や特徴がいっぱい。これからはこの小麦粉をたどって色々な国へ訪れてみましょう。

参考文献 ・粉屋さんが書いた小麦粉の本 ・コムギ粉の食文化史

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

フードコーディネーター。
コルドンブルーに通いフランス菓子を学び、同時期に都内のパン教室でパン作りも学ぶ。
その後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。現在「Witch’s Kitchen」主宰。
自宅で開催する料理教室では誰にでも簡単に出来るアレンジ家庭料理を提案している。
その他、オリジナル菓子をインターネットの店舗に提供したり、カタログや広告媒体の料理製作、スタイリングなどにも携わっている。

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