製粉のお話しライブラリー 粉食考古学[5] - 菓子

小麦粉で作る菓子は発酵パンと同じく古代エジプトが元祖。蜂蜜入りの生地を油で焼くケーキが神々への供え物として最初に作られた。その後インドから砂糖の製法が伝わり、古代ギリシアやローマでは非常に手の込んだ粉菓子やパイが焼かれた。
デザートの習慣もローマで生まれた。砂糖は10世紀からヨーロッパに知られていたが、菓子の発展を一挙に加速したのはフランスとウィーンの貴族社会。17~19世紀には卵、生クリーム、バター、チョコレート等が出揃い、今日お馴染みの洗練を極めたケーキ達が登場する。
当然、小麦粉も洗練された。石臼挽き→篩分けの工程を何回か繰り返し、小麦粉を高度に精製する段階式製粉法が始まったのは17世紀のフランスである。

神への供物の中に描かれた菓子。エジプト・テーベ地区、メンナ(トトメス4世の農政務官)の墓の壁画(紀元前1400年頃、撮影:村田一男)

フランスの伝統的な焼き菓子
左:フィナンシェは16世紀、イタリアのフィレンツェの富豪メディチ家からフランス王アンリ二世に輿入れしたカトリーヌ・ド・メディシスに付き添った菓子職人によって伝えられたフランス菓子 右:マドレーヌはフランスのロレーヌ地方のコメルシーという町に生まれ、18世紀初頭のパリで流行し広まった。薄力粉、バター、卵、砂糖という焼き菓子の基本的な材料を使用 (写真提供:Takatuka Cake Studio 撮影:高塚潔子)

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