製粉のお話しライブラリー 粉食考古学[3] - パン

小麦粉を加工して食べる粉食は、西のパン、東のめんを両横綱とする。
パン作りはすでに紀元前7000~6000年頃のメソポタミアで行われたが、これに野生酵母菌による発酵の技術を加え、初めてふっくらと軟らかいパンを焼いたのは紀元前3000年頃の古代エジプト人だった。“神の贈り物”と彼らが呼んだこの発酵パンは、パンの類型学でいうA類~E類・計200種以上にも及ぶ豊かなバラエティを誇る主食となった。
このパンを引き継いだ古代ギリシア人は、調合酵母菌による発酵生地の製法を発達させ、古代ローマ人はパンの工業生産を始めた。
そしてローマ帝国の版図拡大により、大陸式、アングロアメリカ式という今日のパンの二大系統が生まれることになる。

エジプト、ルクソールの村に伝わるプリミティブな「太陽のパン」。グルテンの発酵作用を生かしたやわらかいパンの原型である

ローマ時代のポンペイの遺跡。この時代、大量のパンを焼くために、製粉は産業の領域にまで高められた(イタリア、AD79年埋没、撮影:村田一男)

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