こうして生まれた 小麦粉料理 クレープは世界で初めての祝いの菓子! 第11回「クレープ」 滑らかで上品な味わい。 今回はクレープのお話です。

クレープはフランスのブルターニュ地方の郷土料理です。
ブルターニュは大西洋に突き出た大きな半島です。
イギリスを追われたケルト人が、5世紀に開拓した地で、9世紀には、ブルターニュ公国として独立し、1532年に、フランスに組入れられました。
開拓民たちの苦労は並大抵ではありませんでした。雨が多く、土地がやせているこの地では、小麦や大麦はおろかライ麦さえも育ちません。かろうじて、ソバだけが栽培でき主食となりました。
ソバの粉を薄く焼きソーセージやチーズなどをはさむ“ガレット”という食べ物がよく食べられていました。
このガレットが、ソバ粉に代わり小麦粉で作られるようになったものが“クレープ”です。

クレープにはガレットの発展系で食事用の塩味の生地のものと、デザート用の甘い生地の2種があります。
甘い生地のクレープは、キリスト教の祝いの日のためにつくられた、世界で初めての祝いの菓子といわれています。
フランスでは冬至と春分のちょうど真ん中にある2月2日がキリスト教の祝日となっていて、この日には小麦の豊穣を願い家族でクレープを食べる習慣がずっと続いています。
また、この2月2日にはクレープ占いがさかんに行われます。この占いのやり方は利き手でフライパンを持ち、もう一方の手にはコインを握って(どういう意味があるのでしょう)クレープを焼き上げます。
片手で、ポーンとクレープを放り上げ見事上手に引っ繰り返すことができたら、幸運が訪れるというもの。真偽は定かではありませんが、こんな話があります。ナポレオンがこの占いが大好きで、部下たちの前で得意げにクレープを放り上げ4度続けて見事に成功、戦同様負け知らずとばかりに、もう一度行ったらあえなくクレープは落下してしまいました。そしてなんと次の戦に敗れてしまったのだそうです。

クレープはラテン語で「絹織物」を指す言葉です。
小麦粉を使うようになりクレープと呼ばれるようになってからは、どんどん洗練さを増していき、フランスを代表する菓子となりました。
19世紀後半、イギリス皇太子を招いたパーティで出された「クレープ・シュゼット」はその華麗さでヨーロッパにセンセーションを巻き起こしました。
オレンジソースで煮たクレープを皿に並べ、シャンパンとキュラソー(オレンジの皮で作るリキュール)をかけて火をつけるという派手な演出で、見ても食べても楽しいものでした。


日本にクレープが入ってくるきっかけとなったのが、昭和40年代初めのフランスパンブームでした。パリの地図入りの細長い袋を小脇に抱えてさっそうと歩くことがファッションになりました。チーズケーキやチョコレートケーキなども人気が出始めていました。
1973年(昭和48年)東京青山にフランス人オーナーの店「ジャン・ピエール」が開業、初めて日本にクレープが伝わりました。
続いて、1976年(昭和51年)東京渋谷公園通りの一角に、ワゴン型のファストフードの店舗がオープン。食べ歩きができるようクレープを紙でまいて提供するスタイルは、この1号店ですでに行われていました。
立ち食いがおしゃれでかわいく見えたのはクレープが初めてだったのではないでしょうか。

出典及び参考文献
  • 「ガレットとクレープの本」グラフ社
  • 「フランス料理を料理する」洋泉社
  • 「食の世界地図」文春新書
  • 「お菓子の歴史」河出書房新社
  • 「世界100の市場を歩く」河出書房新社
  • 「フランス 食の事典」白水社
  • 「西洋菓子彷徨始末」朝文社

クレープ手巻き

クレープ手巻き

【材料】4~6人分
クレープ生地


スイーツつくろ!クレープミックス 1袋(200g)
4個
牛乳 400cc
サラダ油 大さじ2


エビフライ 6本
照り焼きチキン 200g
ソーセージ(茹でる) 6本
タルタルソース 適量
リーフレタス 適量
ミニトマト 8個
紫玉ねぎ(スライス) 1/2個分
貝割れ大根 1/2パック
クレソン 適量
すし飯 茶碗1杯分
キウイ 1個
ブルーベリー 50g
オレンジ 1個
ホイップクリーム 適量
いちごソース 適量

作り方

1. ボールにミックス粉、卵を入れて泡だて器で混ぜ合わせる。牛乳を少しずつ加えながら、ダマのないように混ぜ合わせる。

2. サラダ油を加え、泡だて器で全体にムラがなくなるまで混ぜ合わせる。

3. フライパンに薄くサラダ油をひき、1.を適量ずつ流し、フライパンを傾けるようにして広げ、表面が乾いてきたら竹串で裏返し、焼き上げる。(約20~25枚)

4. 具材はそれぞれ食べ易く切り、クレープと共に彩り良く皿に盛り合わせる。お好みの具材をクレープで巻いて頂く。

1人分(1/6人分)=約525kcal
調理時間=約40分

クッキングアドバイス 手巻き寿司風にクレープでアレンジしたクレープ手巻き。甘いものを合わせるイメージの強いクレープですが、野菜やお肉などを巻いておかず系の具材を巻いてもラップロールのような感覚で美味しく頂けます。トッピングの中にはすし飯も!意外かと思われるかもしれませんが、薄焼き卵で巻いた卵のり巻きのような感覚で、照り焼きチキンやエビフライ、レタス、タルタルソースなどの具材と一緒に巻いてお試し下さい。具材はお好みのものでOK。家族のリクエストを盛り込んでご用意下さい。フルーツやクリームなども準備しておけば、デザートまで楽しめます。

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

フードコーディネーター。
コルドンブルーに通いフランス菓子を学び、同時期に都内のパン教室でパン作りも学ぶ。
その後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。現在「Witch’s Kitchen」主宰。
自宅で開催する料理教室では誰にでも簡単に出来るアレンジ家庭料理を提案している。
その他、オリジナル菓子をインターネットの店舗に提供したり、カタログや広告媒体の料理製作、スタイリングなどにも携わっている。

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