こうして生まれた 小麦粉料理 初めてラーメンを食べたのは水戸黄門? 第8回「ラーメン」 全国にご当地が 種類も沢山! 今回は国民食ともいえるラーメンのお話です。

現在中国は世界一の小麦の生産国です。その中国に小麦が伝わったのは紀元前のことでした。当初は粒のまま食べていました。漢の時代紀元前33年の文献には初めて小麦を粉にして食べるという記録が残されています。小麦粉をこねて作った食物は「餅」という字で表記され、うどんなどの麺もその中に含まれていました。

時代も小麦の種類も違いますが、ヨーロッパではパンやパスタが小麦料理の主流になったのに対し、中国北部では小麦粉は饅頭(あんこは入っていません)やさまざまな麺類が主食となり独自の粉食文化が育まれました。

現在のラーメンのような黄色みを帯びた麺の誕生は「かんすい」の発見にあります。中国北部の湖水や地下水には天然のアルカリ性炭酸ナトリウム=かんすいが含まれています。このかんすいで小麦粉をこねたところ、小麦粉のフラボノイド系色素が黄色に発色、グルテンにも作用し、コシが強くなり滑らかさも増しました。さらに、麺が縮れるという変化も現れ防腐効果もありました。
うどんとは違う食感の中華麺の誕生です。1700年も前のことだといわれています。
このかんすいが日本に伝わるのは明治時代になってからでした。

日本で初めてラーメンを食べたのは水戸黄門こと、水戸光圀であるという説があります。
光圀が1665年学問の師として長崎から招いたのが中国の儒学者朱瞬水(しゅしゅんすい)です。その朱瞬水が中国から取り寄せた食材で光圀に麺料理を振舞ったといいます。
但し、麺はレンコンから精製されたでんぷんから作られたもので、その他ニンニク、ニラ、サンショウなど五つの食材が入っていたそうです。残念ながらスープは何味か、とんこつは使われていたのかまでは記録されていません。麺はうどんに近い食感だったでしょう。

江戸時代には、中国から麺も油を使った料理も日本に入ってきませんでした。
鎖国日本ではラーメンとは違うたんぱくな蕎麦、うどんの文化が続きました。
明治維新になり牛や豚の肉食が解禁になっても、日本人はすぐには肉食歓迎とはなりませんでした。
特に豚肉への拒否反応が強く、明治30年に政府肝いりでアメリカから種豚を輸入するようになって、ようやく豚肉にもなじむようになりました。

ラーメンは日本の料理で中華料理とは、似て非なるものだといわれることがあります。
トンコツや鶏の獣臭さを消すために試行錯誤を繰り返し、関東の醤油を入れることで独特の和風味のスープが誕生しました。
醤油仕立てのスープ、かんすいも伝わり日本のラーメンの原型ができあがります。
大正時代には、東京浅草に大衆的なラーメン店「来々軒」が登場、従来の刻みネギに加え、シナチク、チャーシューがトッピングされ大変な人気となりました。

九州博多で白濁のとんこつスープが生まれたのは、昭和10年代です。
沖縄や九州の一部では江戸時代にも豚を育て食べていました。醤油を加えない白濁のとんこつスープが受け入れられたのはこんな背景があったからだと思われます。
昭和の初めには札幌でもラーメンブームが起き、ラーメンは札幌の名物となります。
味噌ラーメンの誕生はもちろん札幌なのですが、その時期は昭和30年に入ってのことでした。以外と最近のことなのですね。

試してみたら味噌とパスタも相性は上々、是非チャレンジしてみて下さい。

出典及び参考文献

  • 「中華料理四千年」文春新書
  • 「料理の国へようこそ」三省堂
  • 「中華料理の文化史」ちくま新書
  • 「ラーメンの誕生」ちくま新書
  • 「日本の食欲、世界で第何位?」新潮新書

みそラーメン風リングイネ

みそラーメン風リングイネ

【材料】2人分
信州みそ(又は白味噌) 大さじ2
八丁味噌(又は赤味噌) 大さじ1
しょう油 小さじ1
みりん 大さじ2
一味唐辛子 小さじ1/3
すりごま 大さじ1
ごま油 小さじ1
金のパスタリングイネ 200g
もやし 200g
にんじん・長ねぎ 各1/3本
おろし生姜・おろしにんにく 各小さじ1/2
中華だしの素 小さじ4(約20g)
800cc
スィートコーン 100g
焼き豚 4枚
メンマ 20g
ラード(又はごま油) 大さじ1

作り方

1. 信州味噌、八丁味噌、しょう油、みりん、一味唐辛子、すりごま、ごま油を混ぜる。

2. にんじんは細切りにする。長ねぎは白い部分は白髪ねぎにし、芯は細切りにする。

3. たっぷりの湯でリングイネを約7分茹でる。

4. 深めのフライパン(又は中華鍋)にラードを熱し、おろし生姜、おろしにんにくを加えて香りを出し、にんじん、ねぎの芯、もやしを炒め、(1)の味噌ダレを加えて炒め合わせる。水、中華だしの素を加え、一煮立ちさせる。

5. 丼に(3)、(4)を盛り、スィートコーン、焼き豚、メンマ、白髪ねぎをトッピングする。

1人分=約693kcal 
調理時間=約25分

クッキングアドバイス 見た目は札幌風味噌ラーメンですが、麺はパスタ。卵入りでモチモチ食感の金のパスタリングイネは、スープのうまみもよく吸いながら、茹で延びしにくいのが特徴なので、パスタのみならず、中華麺代わりにも。中華麺よりも歯ごたえもあり、食べ応え十分。太麺の札幌風味噌ラーメンのスープとは相性も良いのです。ご家庭である食材でも出来る本格的なラーメンスープを手作りしてみてはいかがでしょうか。

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

フードコーディネーター。
コルドンブルーに通いフランス菓子を学び、同時期に都内のパン教室でパン作りも学ぶ。
その後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。現在「Witch’s Kitchen」主宰。
自宅で開催する料理教室では誰にでも簡単に出来るアレンジ家庭料理を提案している。
その他、オリジナル菓子をインターネットの店舗に提供したり、カタログや広告媒体の料理製作、スタイリングなどにも携わっている。

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