こうして生まれた 小麦粉料理 お祭りの日しか食べられない高級菓子 第3回 ドーナツ ドはドーナツのド~♪ 今回は400年以上もの歴史があるドーナツです。

ドーナツは小麦粉、バター、卵を基本材料とし、それを練って油で揚げてから砂糖をまぶしたお菓子です。17世紀には存在したと考えられています。
発祥の地は、オランダ説、イギリス説、ドイツ説があります。
ドーナツはアメリカでポピュラーなお菓子になるのですが、オランダ、イギリスはいずれも、「移住したアメリカ大陸に持ち込んだのはわが国である」としています。
語源は英語で「ドー(生地)ナッツ(くるみ)」と考えられています。
オランダでは中央部にくるみが乗っていたといわれています。お祭りなど宗教的行事などの特別な時だけに食べていたそうです。当時は貴重だった砂糖を使ったお菓子は高級品だったのです。
もうひとつの“発祥の地”説があるドイツでもドーナツ誕生の経緯は同様で、宗教の祭事のお菓子としてつくられたそうです。今でもドイツではキリスト教の祝祭、大晦日などによく食べられています。
人口2200人、ポルトガルの小さな島マダレーナでは、年に一度のお祭りの際に直径40cmほどのドーナツのようなリング状のお菓子を花などと一緒に島中に飾り付けています。

ドーナツの真ん中は何故穴があいているのか、これも諸説ありますが、火が通りにくかったのであけたというのが、合理主義アメリカの、とても合理的な答えであると思われます。

日本にはいつごろやってきたのでしょう。
カステラやパンなどポルトガルから伝わったものの中でドーナツに似た揚げ菓子があったといわれていますが正確なことはわかっていません。
大正2年創業の銀座のカフェでは、コーヒー5銭、ドーナツ5銭という価格で提供されていたそうです。今の価格にするとおよそ5000倍、250円といったところです。
ちなみに資生堂パーラーのアイスクリームが20銭(大正10年)、銀座木村屋のアンパン2銭(大正6年)、日本橋たいめいけんのカレーライス7-10銭(大正6年)、銀座天国のてんぷら18銭(大正2年)、小学校教員初任給が12-20円(大正7年)でした。

ドーナツがファストフードとして広まるのは、第2次大戦のときに、アメリカで自動フライヤーが開発され大量生産が可能になったことにあります。
今日ではさまざまなドーナツがつくりだされ、新たなドーナツブームが起こっています。
この先またどんなドーナツが生まれるのか楽しみですね。

「ドはドーナツのド」ではじまる「ドレミの歌」は映画「サウンドオブミュージック」の挿入歌です。
一時期日本版「ドレミの歌」は2つありました。ひとつは元歌の歌詞に近いもので、当初、日本版サウンドオブミュージックではこの歌詞で歌われていました。「ドはドーナツのド」は歌手のペギー葉山さんが元歌の歌詞を日本人に親しみやすいように大幅に作りかえたものです。
アメリカ版のドは「Doe(メス鹿)」のドでした。たしかにこれで語呂合わせは難しいですね。

出典及び参考文献
  • 「西洋諸国お菓子物語」時事通信社
  • 「ポルトガルのお菓子工房」成星出版
  • 「yum yumドーナツ」主婦と生活社
  • 「食べもののかたちの秘密 ドーナツの穴」大空出版
  • 「ミスタードーナツ物語」(株)オフィス2020

デコ・オールドファッション

デコ・オールドファッション

【材料】約6個分

無塩バター 30g
卵(M) 1個
ホットケーキミックス(カルシウム入り) 200g
打ち粉(強力粉) 適量
揚げ油 適量
コーティング用チョコレート 適量
製菓用砂糖菓子(アラザンなど) 適量
チョコペン(お好みの色) 適量
プラリネ・ピスタチオ 適量

作り方

1. 室温に戻した無塩バターを泡だて器でふんわりと混ぜ、溶いた卵を加えて混ぜる。

2. ふるったミックス粉を加えてゴムベラでさっくりと切るようにして混ぜる。ポロポロのそぼろ状になってきたら、ゴムベラで押し付けるようにして混ぜ、なるべくねらないようにして生地をまとめる。

3. ラップに包んで冷蔵庫で30分休ませる。

4. 打ち粉をし、めん棒で1cm厚さに伸ばし、打ち粉をまぶしたドーナツ型で抜く。

5. 170度の揚げ油でキツネ色になるまで揚げる。

6. コーティング用チョコレートやチョコペンなどで、お好みのデコレーションをする。

クッキングアドバイス ドーナツの定番、オールドファッション。もちろんそのままでも美味しく頂けますが、カラフルにデコレーションをすると華やかで、贈り物にも喜ばれます。揚げている時の生地はとても柔らかいので、ひっくり返す際は、揚げ網にのせてそっとひっくり返しましょう。 揚げたてのドーナツに、牛乳を多めに加えてゆるめに溶いたカスタードクリームミックス、バニラアイス、お好みのフルーツソースやエスプレッソソースをかけて頂く、アフォガード風の食べ方もおすすめです。

岡嶋芳枝(オカジマ ヨシエ)

フードコーディネーター。
コルドンブルーに通いフランス菓子を学び、同時期に都内のパン教室でパン作りも学ぶ。
その後、料理研究家のアシスタントなどを経て独立。現在「Witch’s Kitchen」主宰。
自宅で開催する料理教室では誰にでも簡単に出来るアレンジ家庭料理を提案している。
その他、オリジナル菓子をインターネットの店舗に提供したり、カタログや広告媒体の料理製作、スタイリングなどにも携わっている。

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