坂本雄次の訪問!ウエルネス人 vol.2 猫ひろしさん

1 東京マラソンで自己ベストを記録!

坂本雄次さんと猫ひろしさん

坂本雄次(以下坂本)
東京マラソンでは、自己ベストが出ましたよね。
走り始めると、すぐトイレ行きたくなるそうですが?

猫ひろし(以下 猫)
今回、東京マラソンでも、スタート直前にお腹痛くなっちゃって、トイレに行ったら遅刻して、 (スタートラインの)Aグループの一番後ろになっちゃったんですよ。でも他のランナーの方達が、 「猫ちゃん行きなよ」って僕をグループの前列まで押し出してくれたんです。ほんと感謝ですね。

坂本  今33歳でしょう、走り始めたきっかけって何ですか。

 陸上はやってなかったんですが、長距離だけは自信があって、学校ではいつも一番速かった んですよ。陸上部にも負けたことがなかった。2008年の第2回の東京マラソンの時、出てみない かというお話を頂いたので、だったらきちんとやってみようかなと思ったんです。

坂本  中・高校・大学と徹底的にトレーニングしちゃうと、筋肉が消耗してしまう。30代だと、精神的 にも大人になってくる年齢だから、いいタイミングでフルマラソンを始めたんですね。だから可能性 としては、まだまだ伸びるんじゃないのかなと思う。今回の自己ベストを出すにあたって、どんなトレ ―ニングをしたんですか?

 フルマラソンの1カ月前までに40キロ走を、故障しない程度に必ず2~3本やるんです。 あとは、大会の3週間くらい前には、1キロや5キロを走る目標タイムを決めます。 加圧や、低酸素室でのトレーニングもやっています。乳酸がたまりにくくなって、つらくなった時に いいそうなんですが、実際に、今回の大会ではラストスパートが一番速く走れたし、ゴールした後も 体力がすごく余っていたんです。加圧で体質が変わって、1年で9キロぐらいやせて、お腹が割れて きたんですよね。

坂本  走り方の工夫、体を鍛えるための、加圧トレーニングや、低酸素室に入ってのトレーニングを やって、いろいろなものが全部結果に結び付いていますね。

 鼻で吸って、口から吐くことしかできないマスクをつけてのトレーニングもやっています。 ガスマスクみたいなもので、夜にランニングしながらやると、警察に止められるんですよね。

坂本  ハハハ。

 だから、家の中だけでつけようと思っていたら、赤ちゃんが泣くんですよね

坂本  そういえば、2月に、お子さん生まれたんですよね。おめでとうございます!

2 猫流・走るための食生活

坂本雄次さん

坂本  ふだんは芸能界の仕事をされているから、時間的に不規則ですよね。走るために食生活で気をつけていることは?

 レース前は、3食きちんと食べて、間食をしないようにして、それでもお腹が減ったら、ゼロキロカロリーのゼリーや、昆布、くきワカメを食べるようにしています。

坂本  アスリートが取り入れるようなカーボローディング(※スポーツ選手などが行う、炭水化物を効果的に取り入れる食事法)はやっているんですか?

 自己流ですが大会前にカーボローディングは毎回やってます。 目標の体重を決めて、走ったり、食事の量を少し減らしたりしながら体重を落とす。それでも体重が落ちなくなると、今度はダッシュなど体に激しい刺激を与えたり、炭水化物抜きにして、体重を減らすようにしています。 そして試合の2日前ぐらいからは、炭水化物だけ一気に食べたりしてるんですよ。

坂本  今、体重って何キロぐらいあるんですか。

 今、標準は47キロぐらいですかね。 レースの時になると、45.5キロぐらいまで落とします。もともと54キロありました。

坂本  自分なりにカーボローディングも取り入れて、体重を落とすようにしていると。

 大会前々日前日は、カーボローディングに、味の濃いミートソースのパスタをしっかり食べてます。ここまで頑張ったのだから遠慮なく美味しく食べようと(笑)。まるで「昭和のプロレスラー」だと笑われます。とにかく内臓が強いんです。 試合の当日の朝は、ご飯2杯、餅1つ、バナナ2本、ゼリー。今年の東京マラソンではカステラも食べました。 周りからはカーボローディングし過ぎって言われるんです。

坂本  食い過ぎじゃない?(笑) でもあまり神経質にならないで、あれもこれも制約せずに、自分の感覚で走りやすい走り方をして 結果的に記録が伸びていくといいなと思いますね。

3 芸人とランナー・二足のわらじ

猫ひろしさん

坂本  芸人のお仕事に、走ることが影響しているの?

 忙しい中でも、走るためのトレーニングをきちんとすることで、その後家に帰ってから、芸人の仕事をがっと集中してやれるんですよね。 走ることと芸人としての仕事と、時間でわけているような気がします。

坂本  なるほどね。時間で切り替えているということですか。

 はい。 「走っていてつらくないんですか」って言われるんですけど、子供の時から、長距離は得意で、全然つらいと思ったことなかったです。 走らない時は例えば、携帯あるといじっちゃうじゃないですか。でも走っている時は何も持たないから、自分の時間ができるんですよね。

坂本  走っている時は自分の時間になるんだよね。仲間と走っていても、やがては体がだんだん走るほうに集中すると、自分ひとりになれるじゃないですか。意外とふだん自分ひとりになれる時間ってないんだよね。

 走っている時に、ギャグや、今後の目標のことをいろいろ考えるのが好きなんですよね。最近は、仕事場から自宅までの帰り道を走って帰っています。10キロのリュックを背負って、道草くいながら20キロくらい走って、同じ道は走らないです。途中、道に迷ったりもするんですが、知らない道を走るのはすごく楽しいです。

坂本  レースの時はペースのことが頭にあるだろうけど、レース以外では、走る時間は自分だけの時間になるよね。ふだんネタを作る時は、どんなふうにやっているの?

 机に向かってやっているんですが、でも最近時間がないから、電車に乗っている時や、走っている時に、広告や看板を見てアンテナを張っていますね。

坂本  なるほどね。

4 カンボジア代表でロンドン五輪へ?!

坂本雄次さんと猫ひろしさん

坂本  今後フルマラソンで、目標はありますか?

 カンボジア代表になって2012年のロンドン五輪を目指すこと。

坂本  それって真剣にやってるんだよね。

 真剣にやってます。 まさか芸人になって、自分が国籍変えると思わなかったです。 カンボジアで、6月のプノンペンハーフマラソンと、11月に選考会があるんです。 僕にやれることは一生懸命走ることしかないです。

坂本  カンボジアって、標準記録はあるんですか。

 2時間18分。

坂本  速いね。

 速いです。僕は今カンボジアで2位なんです。

坂本  なるほどね。もしこれで、ほんとにカンボジア代表でロンドン出たら、ちょっとトピックスですね。 今33歳でしょ。その次のオリンピックまで5年だね。ということは38歳までくらいは頑張れるかも分からないね。日本の国内じゃ無理だけど。タイムの目標はありますか?

 2時間30分は切りたいです。 1年に20分ずつ速くなっているんで、僕のインド式単純計算でいったら、再来年ぐらいに世界新記録を出せる予定なんです。

坂本  ああ、なるほどね。(笑)

 もともとこんなに速くなれるとは思っていなくて、マラソンを始めた時は今より1時間以上遅かったから、ハードルを低くしないで、とりあえずやれるところまでチャレンジしたいと思っています。

5 走る芸人としてメッセージ

坂本雄次さんと猫ひろしさん

坂本  猫さんは、体力面ではハンディがありながら、2時間30分を切るというところまでレベルアップをしようとしている。我々走っていることに携わっている人間から見ても、パワーをもらっているところがありますね。 そんな猫さんから、今回の東日本大震災で、災害に遭われた方へ何かメッセージはありますか?これはランナーというだけじゃなくて、猫ひろしという芸人さんとしてでもいいんだけど。

 とにかく自分にできることを、冷静に長期的にやりたいです。ほんとに小さいことですけど、毎日ちょっとずつでも募金するとか、物資をどこかに届けに行くとか、できることだったら何でもやりたいですね。

坂本  なるほど。

 最近、被災地の人からも電話かかってきて、お笑いライブやりたいという連絡がありました。スケジュールがあいていて、先方が望んでいるんだったら、いくらでもやろうと思っています。

坂本  猫さんの話の中で、すごく印象に残ったのは、自分でできることを冷静にコツコツしっかりやってくということ。それが皆さんに伝わっていくんですよね。今日言って、明日すべてが解決できるような災害ではない。10年、20年かけて、災害から、それは原発のことも含めて立ち直っていく。スポーツの大会も自粛ムードにあるんですが、いつまでもネガティブな気持ちでいるのではなくて、スポーツに携わっている方は、何よりもそのパフォーマンスを、被災者や、それ以外の皆さんにも、ストレートに見てもらって、何かを感じ取ってもらうということが大事なのかなって感じがしますね。時間がないけれど、2012年のロンドンオリンピック、がんばって。

栄養のプロがチェック!

小島美和子

監修:小島美和子
管理栄養士
有限会社クオリティライフサービス代表取締役

大会前はカーボローディングでスタミナアップ

猫さんの食事は、アスリート食ですね!普段からコントロールされていて、更に大会前は炭水化物を増やしてカーボローディングもできています。
カーボローディングとは、運動のエネルギーに変わるグリコーゲンを、筋肉にしっかり蓄えておく調整方法です。筋肉中のグリコーゲンが多いと、持久力が保てるので十分なパフォーマンスが発揮できますが、不足すると、スタミナが落ちてしまい記録も伸びません。ただ筋肉量のある、鍛えられたからだのアスリートでは十分な効果が期待できますが、ビギナーアスリートが極端なカーボローディングをすると、からだが重くなったり、コンディションを崩す要因にもなるので注意しましょう。アスリートでは、大会前はパスタを中心にお餅やご飯をプラスするなど、かなり炭水化物を増やしていきます。ビギナーの人は、普段より多めのパスタで食事をとる、ご飯をいつもより増やす、間食にパンやカステラ、お餅を食べる、という程度から始めるとよいでしょう。

パスタでカーボローディング

カーボローディングをする時は、炭水化物を増やす分、脂質を減らします。したがって、パスタ料理では、オイルをたっぷりものや、揚げ茄子など揚げもののトッピング、生クリームたっぷりのソースは避けましょう。スープパスタやペペロンチーノは比較的、脂質の少ない調理法です。脂質の少ない調理法でパスタを多めに食べましょう。

※カーボローディングとは 《Carbohydrate Loadingから》グリコーゲンを多く蓄えるため、炭水化物を効果的に取り入れる食事法。スポーツ選手などが行うもので、試合1週間前、激しいトレーニングを行って、肝臓や筋肉の中の燃料にあたるグリコーゲンを使い切り、その後3日間ほど脂質の多い食事を、さらに3日間ほど、内容の充実した食事をとって試合に臨む、などの方法がある。(「大辞泉」)

ガスパチョ仕立てのパスタ

ガスパチョソースを作ります。ざく切りにしたトマトと、1cm角に切った玉ねぎとパプリカ、つぶしたにんにく、2~3cm角に切ったバケットに、塩とワインビネガー、オリーブオイル少々を加えてミキサーにかけます。なめらかになったら、冷蔵庫で冷やします。 パスタを芯が残らない程度に茹でて水で洗い、器に盛ってガスパチョソースをかけます。

炭水化物たっぷりで低脂肪なので、カーボローディングにおすすめのパスタ料理です。

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坂本雄次プロフィール

坂本雄次さん

1947年神奈川県生まれ。
自身のダイエットのため始めたランニングをきっかけに、当時在籍していた東京電力で陸上部の監督を15年務め、素人の中からフルマラソンを2時間30分で走るランナーを数多く育成する。
1993年にマラソンの各種大会を企画運営する会社「株式会社ランナーズ・ウエルネス」を設立。
日本テレビ 24時間テレビ の「24時間マラソン」、「湘南国際マラソン」などの立ち上げに尽力。間寛平さんのアースマラソンのアドバイザーとしても完走をサポート。

AIMS公認距離測定員
国際スパルタスロン協会日本支部代表
一般社団法人日本ウルトラランナーズ協会(JUA)理事

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